田舎のバス通学は奇妙奇天烈
前に自転車通学の同士たち - カレン素数の日記ですこし触れたが、高校3年の時はバスで毎日通学していた。
私の通っていた高校というのはものすごく山奥にある。ドドドドド田舎である。こんなことを言っては、更に奥に住んでいてそこから通っていた友人に怒られそうだ。
冬は、家を出た時は雪なんて降ってないし積もってもなかったのに、学校に着いたらめちゃめちゃ積もってる、なんてこともあった。たかだか自転車で30分漕いだくらいでそのぐらいの田舎が現れる。
私の家の最寄りのバス停というのは歩くにはほんの少し遠い。でも大通りに面しているのでちょっと駅前に行く程度なら時刻表なんて見る必要もない。五分に1台はバスが通るのだから。そういうわけで私はバスに乗ったことはあるが時刻表を見てバスに乗るということをしてこなかった。
しかしド田舎にある高校へ行くバスはなんと30分に1本。昼間は1時間に1本しかない。
一体全体そんなド田舎へ行くバスに誰が乗っているのかという話だが、実はそこそこ使っている人がいた。この人達が非常にくせ者なのである。
変わり者ばかり、という訳では無い。バスに10人の人がいれば3人ぐらい変な人がいる。まあ目立つ。騒ぐ騒ぐ。
ある冬の日、バスに乗っていつものように登校していた。高校の最寄りのバス停の一つ前を過ぎた時、【とまります】ボタンを押した。
すると突然ガシャガシャの声が後ろから、「ありがとお!!!!」と大音量で聞こえた。びっっっっっくりして後ろを振り向いたら歯がガッタガタのおじさんがこちらをニコニコ笑顔で見ていた。どうやら先程のデカい声はこのおじさんから発せられたものだろうと思ったがまあ恐ろしい。なんでいきなり叫ばれたのか。なぜ感謝されたのか。とりあえずヘラっと苦笑いを返しておいた。
悶々と考えていたら、降りるバス停に着いた。さっさと降りようと思って席から立ち上がったら、さっきのおじさんのダミ声がまた響いた。
「ここじゃないで!!!!!!!!」
いや、私ここですわ。
という1つのストーリー。これはガチガチに事実である。なんの脚色も加えていない。なんならあのものすごく変わり者のおじさんの恐ろしい容姿を全然伝えきれていないくらいだ。
他にも色々ある。下校の際、バス停でバスを待っていたら、一緒に待っていた男の人が私の頭のすぐ上あたりの空中を見つめて、意識がどうのこうのとか独り言のようなものをボソボソ喋り続けていたり、韓国人らしきおばさん4人にずっと韓国語で喋り続けられたこともある。どれもこれも恐ろしかった。
片田舎からド田舎へ向かうバスというのもド田舎からやってくるバスというのもどれもこれも奇怪である。色んな人が乗っている。田舎が恐ろしいのか単にその人たちの癖が強かったのか。
もうこれただのホラーやん。