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カレン素数の日記

1000文字程度の文章をぼちぼち更新しています。暇つぶしの読み物にどうぞ

なんだかんだで演劇に向いてない

私は高校の時、演劇部だった。とは言え裏方で、照明や音響なんかをしていた。

知らない人にはとてもびっくりされるが、演劇にも大会がある。全国まで行った優秀作品はNHKで放送されたりなんかする。

高校演劇というのはいわゆる「演劇」とは少し違う。高校演劇オタクなるものも存在する、ニッチな趣味のひとつなのである。

 

高校に入った時、特に入りたい部活はないけど「部活入ってました」と後々言いたいがために友人に誘われてテキトーに演劇部に入った。

ちゃんと3年の5月か6月かくらいまで続けた。私は幽霊部員の鑑のような活動をしていた。とは言え大会の会場にも行った記憶があるし、小道具大道具をせっせと運んだ記憶もあるし、部室の隅っこでTwitterしてた記憶もある。私たちの卒業式の日に引退した3年の部員みんな部室に呼ばれたらしいけど何故か私だけ呼ばれてなかった記憶もある。

 

3年間そうこうして「高校演劇」をほんの少しかじったりした訳である。

そこで気づいたことがある。

私は、演劇にむいてない。

 

この「演劇」とは「高校演劇」のことである。

高校演劇には独特な空気感がある。部内の派閥や学校ごとの敵対意識。でも他校の生徒と繋がろうとする。あわよくば合同稽古とか考えてる。

校風もそれぞれ出ていて顧問によっても随分印象が変わったりする。生徒達も、めちゃめちゃな陰キャ集団みたいなところもあればバリバリの陽キャ集団みたいなのもあってもう訳が分からない。

 

演劇が嫌いという訳では全くない。好んで観に行ったりもする。

ただ私は、高校演劇に「携わる側」ではなかったのではないか、と思う。

 

結局のところ、私は演劇とか芝居に対して本気ではなかったのだ。でも周りは一生懸命で目の前の一つ一つに向き合って考え込んで、行動していた。周りと私の意識の差は大きかった。

演じることも、照明とか舞台セット考えるのも全く嫌いではなかったけど、「高校演劇」への苦手意識をずっとずっと持っていた。

 

しかし私はなぜだか、今でも演劇に携わっている。高校生たちの演劇の手伝いで、少なくとも大学生のうちは続けるだろう。

こればかりはご縁があったのだろうと思うことにしているがやはり不思議なもので、そうして演劇に関わっていけども私の苦手意識は変わらない。

 

そもそも、チームプレイが大の苦手なのである。今までやってきた水泳といい、書道といい、また中学の美術部でも部活ではあれ、絵を描くというのは個人競技だ。思えば演劇が人生初のチームプレイかもしれない。

 

人には向き不向きがあって、私には単に演劇にむいてなかった。私の中で演劇というのはするものではなくて観るものなのであると結論づけて、どうにか演劇そのものを嫌いにはならないようにしていこうと思っている。きっとこの苦手意識は変わらないけれど。