仲間由紀恵と阿部寛は結婚するんだと思ってた
トリックの放送は2000年から。つまり私の生まれた年からだ。私が早く生まれていればもっと早くから好きになっていただろうけれど、仕方がない。
私がトリックを知ったのは10周年記念の映画の宣伝だった。面白そうだな〜〜って思って宣伝のCMを見るのをとても楽しみにしていた。バカバカしくて、でも本気になって見てしまう「霊能力者バトルロイヤル」の文字をよく覚えている。
その頃また10周年記念として、大大大好きなはやみねかおる大先生が「帰天城の謎」というトリックのオリジナル書き下ろし作品を出した。興味が出たドラマの書き下ろしを好きな作家が書くことになるなんてもう運命でしかないと感じて、急いで買いに行った。すりきれてしまうほどに何度も何度も読んで、一文一文を暗記してしまうくらいに読んだ。
そうして見事にトリックに惹き込まれて、今でも暇があるとしょっちゅうドラマシリーズを1から見たりなどしている。
本題である。私は山田奈緒子と仲間由紀恵の境界線も、上田次郎と阿部寛の境界線も非常に曖昧なままトリックを見続けていた。奈緒子と上田の、あのなんとも言えないけれど良い関係を、仲間由紀恵と阿部寛にも当てはめてしまっていたのである。
そういうわけで私は、仲間由紀恵と阿部寛は付き合ってるんだと思っていた。結婚している、もしくは結婚するんだと思っていた。妄想とか二次創作とかそういうのじゃなくて、普通に現実的に当たり前に、そう思っていた。
阿部寛の結婚を知った時の驚きといえばとんでもない。仲間由紀恵じゃないんかーーーい!!!!!ってなった。仲間由紀恵と結婚せずに誰とするっちゅうねんと思ってよくよく聞いたら一般人女性と来たわけである。いやいやいやいやいや仲間由紀恵は?????お前と仲間由紀恵は何回も一緒に訳わかんねぇ村行って特殊能力のトリック暴いてたじゃん!!!結構危険な目に会った時もあんなにずっと一緒にいたのに!!!!
考えてみれば私の頭がおかしいのである。
山田奈緒子と上田次郎はドラマの中のキャラクターで仲間由紀恵と阿部寛ではない。現実に持ってくるなという話だ。
わかってる、けれどもどうしてもそう思う。仲間由紀恵が結婚した時もめちゃめちゃびっくりしてしまった。阿部寛ちゃうんかーーーい!!ってなった。
何故ここまで私はドラマと現実があやふやになってしまっているのか。
やっぱりトリックは単に、「良いテレビドラマ」だったんじゃないだろうか。ストーリーも面白くて、抱えるテーマは重いけれどコメディタッチ、キャスティングも脚本も完璧だった。
どうしても続きを見たい、というのもあると思う。続きを求めてしまうあまり、トリックのキャラクターを仲間由紀恵と阿部寛に押し付けたくなるのである。
ていうかトリックを見てしまった人達、みんな仲間由紀恵は貧乳だと思ってるし阿部寛は巨根だと思ってるでしょ?やはりトリックは現実世界にぐいぐいとイメージをねじ込んできやがる。これこそ、その証明である。