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カレン素数の日記

1000文字程度の文章をぼちぼち更新しています。暇つぶしの読み物にどうぞ

大学生と映画館

去年の四月、私は大学生になった。

私立の文系大学生というのは暇なものであるなぁと毎日毎日考えている。

 

私は映画の半券は集めてスケジュール帳に挟んで置いておくタイプだ。これといって意味は無い。マメ、ということでもないので特に感想も書いたりしない。なんとなく、置いているだけである。

2018年のスケジュール帳に挟んだ半券の数を数えてみた。16枚あった。単純に考えて月に1回以上行っている計算になる。

映画館で映画を観ることを趣味としている人達からしたら、大した数ではないだろう。しかし私は別に趣味ではないのである。一介の、暇を持て余しただけの私立文系大学生なのだ。

もちろん、映画を観ることは好きなほうだ。元々文化的な人間なので、本を読んだり、美術館に行ったり、演劇を観たりするのも好んでいる。

だからなのか、私の中で「暇つぶし」として映画がある。

 

映画はリスクが少ないと思う。学生料金なので1000円〜1500円ほどで120分ほど楽しい時間を過ごせる、そんな割のいい話が他にあるだろうか。神戸とかのミニシアターで観るのも雰囲気があって好きだし、アースシネマズで大迫力で観るのも好きだ。

映画にするくらいなのだからまあ大抵は内容も面白いし、事前に口コミなんかを調べたらハズレは分かるからそれは避ければいいだけの話。

 

一人映画もそこそこあるが、友人と行く方が多い。「この映画は多分、この子と見たら楽しいだろうなリスト」を常に作っているからである。わあ気持ち悪い。近辺の映画館の上映スケジュールを見て、見たいのをピックアップして手帳に書いて、横に友人の名前を書く。まず実現しないが、その作業が楽しいのである。

 

映画を観ることは、本を読むことや演劇を観ること、絵画鑑賞などに比べてとても受動的だと思う。つまり、それらを行うより映画を観ることのほうが楽なのである。

読書は文章からその光景を思い浮かべる必要がある。演劇は食いついて見なければ舞台から置いていかれてしまうし、美術館でも、のほほんと観るのではなくて多少歴史背景とか考えたりしながら鑑賞する。

映画はどうだろう。食いついて見なくても強弱の激しい音や声は耳に入り、その時ストーリーに関係する見るべきカットしか画面に映らない。

ここまでストレスのかからない楽な受容が可能な娯楽が他にあるだろうか。

ガチの映画オタクたちにはこんなこと言うと怒られてしまいそうだが、単に暇つぶしとして観るにはもってこいである。

 

文系の私大の大学生なんて、暇をつくろうと思えばいくらでもつくれる。あと3年しかない学生料金に甘えて、暇のあるうちにたくさんの映画を観たい。