google9e72caac10953e45.html

カレン素数の日記

1000文字程度の文章をぼちぼち更新しています。暇つぶしの読み物にどうぞ

ジャニオタじゃないけどジャニーズ映画の「少年たち」を見た。

所狭しと出演する、顔の綺麗な、でも幼さの残るまさに「少年たち」。ジャニーズJrの子達ばかりが多く出演しており、正直ジャニオタ以外がこの映画を見るのだろうかと疑問である。そんな中で私はジャニオタではない。のに、見てきた。

そんな私の感想としてこの映画は、「長いミュージックビデオ」である。

 

見に行く前に軽く調べたり聞いたりしたところでは、なんとなくミュージカルなんだろうなと思っていた。しかしこれはミュージカルではない。「長いミュージックビデオ」である。

内容は一貫してよく分からない。ストーリー性があることにはあるが、何故?とばかり思う。見終わって1番に口から「え?」と音が出た。とりあえず「死」が唐突すぎる。何故死ぬ?死ぬ描写があまりにも薄い。薄すぎる。わからなかった。なんの暗喩だろうかと考え込んでしまった。

いわゆるミュージカルも同様に、急に歌ったり踊ったりはあるのだけれど、やっぱり何か違う。そこで歌う!!!????って何回も思った。あとめちゃめちゃ面白かったのが、黒チームの体の弱い男の子が医療刑務所に1人、ベッドに横になっているシーンの後にやたらめったらハッピーな曲に変わった時。急にくるにも程がある。笑っていいのかあかんのか終始わからんかった。

 

そして何より、私は応援上映に行ったのである。ジャニオタでもないのに。ジュニアの子達なんてほとんど名前も知らないのに。横では私を連れてきた女が、推しが出てくると狂ったように叫び喚き、後ろの方でも若い女の子の甲高い声が時たま鳴り響いていた。田舎なので客は少なく、ペンライトはまばらに、でも同じテンポで劇場を照らす。正直楽しかった。なんて幸せな女の子達だろうかと思った。何回も見ているからだろう、行進のシーンの時に画面より先に「左!、左!、左!右!」と多くの声が上がっていた。もう私は笑いが止まらなかった。

同担拒否の友人が叫ぶ推しの名前が、後ろの方からも聞こえた時はさすがにひやっとしたが。映画が終わってから友人が後ろの方を見て、「今のうちに……」と殺し屋の目をして言っていたので恐ろしくなってさすがに止めた。

 

1晩経って考えてみたけれど、私は一体なにを見たのだろう。あれは映画だったのだろうか。いややはりあれは「長いミュージックビデオ」なのだ。きっとそうだ。とにかくみんな顔が綺麗だった。お肌が若くてツルツルもちもちだった。せっかくの機会だし、何人か名前覚えてみるかなどと思ったけれど大河くんしかもう覚えていない。京さまの息子と知って驚いた。道理で私の好きな顔をしているわけだなぁ、と思った。

 

ジャニオタじゃないと楽しめないんじゃないかってちょっと思ってたけどそれは間違いだった。普通に面白かった。よくわからないことが面白かった。正直、中高生の男の子や下手すると小学生の子達にまでゾッコンになる友人が今までよくわからなかったけど、「こういうもの」なんだろうなってよくわからないままに納得した。宝塚のファンと同じ分類にジュニアのオタクも入れておくことにする。

ジュニアのオタクじゃないんなら、「少年たち」は見なくてもぜーんぜん問題ない映画である。でも見てもいいんじゃない、とは言える。

「映画」という媒体はなんとも、大きくて広くてなんて寛容だろう。