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カレン素数の日記

1000文字程度の文章をぼちぼち更新しています。暇つぶしの読み物にどうぞ

フランス語を学んで得たもの

うちの大学では第二外国語を、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語の4つから選択する。高校の時の先生たちに、ドイツ語だけは辞めとけと口酸っぱく言われていたのでドイツ語はなし。(単位獲得が難しいと話題らしい)

結論、私はフランス語を選択した。

 

フランス語を選んだ理由としてもっともらしいことを言えば、私の住んでいる姫路市がフランス人の観光客がとても多いことが挙げられる。姫路城のパンフレットも、フランス語ばかりなくなっている。フランスの柔道の選手の合宿なんかも姫路市で行われている。ちなみに姫路市民の多くはこの事実を知らない。

しかしその事実を知っていた私は、さも地元を愛しているかのように演じ、選択理由につらつら書き連ね、見事私は希望通りフランス語を学べることになった。

ただ蓋を開けてみればフランス語とドイツ語は中国語と韓国語の抽選に溢れた子たちの行き着く先となっていて、あんな小賢しい文章を書く必要はなかったことが判明した。

 

私が高校生だった時、1番足を引っ張っていた科目が英語だった。文系としてあるまじき大失態。英語ができなければお話にならない。読めない、書けない、聞こえない。英語への苦手意識は3年間で高まりに高まり、その苦手意識はいつのまにか、「英語」だけではなく「外国語」を主語に置くようになってしまっていた。なんなら「海外」すらも主語に置けるくらいにはなっていた。

 

そんな私だったが、大学に入って1年、週に2回フランス語の講義を受けた。結果として、フランス語を学ぶことは私にとって最善で適切だった。講義は20人弱のクラスで、その中で私はまあまあフランス語ができる方、な感じになった。ごく普通に授業を受けていただけだけれど、1年も経てばそこそこの日常会話ができて、多少ネイティブも聞こえるようになった。

 

そして、私の心の重しだった「外国語への苦手意識」は本当は「英語への苦手意識」だったことが顕になった。私は外国語ができないんじゃなくて、英語ができなかった、英語に向いていないだけだったのだと思えるようになった。私の中でこれはとても大きな変化で、フランス語は私の考え方を改めてくれた。フランス語ならできる。勉強するのが苦じゃないし、喋ることも面白いと思えた。読むことも楽しくなった。

 

高校の語学学習と大学の語学学習では大きな差がある。前者は目標が「受験合格」にあまりにも重きを置きすぎているのに対し、後者は「異国語を知る」ということだけが目的だった。これが私にとっては非常に重要だったのである。元々思考回路が「合理性」に従いがちなのもあって、「受験に合格したからなんなの?」ぐらいは思っていた。英語を勉強して受験に通る。受かって大学生になって、それで?自分のためのゴールは見えない。

「受験合格」はとても具体的な目的のようで、実質は大変抽象的なのである。

 

それに対して大学でフランス語を学ぶことは、目標目的がとにかく「自分のため」に「自分で設定」して「自分が学ぶ」ことにあった。私は日常会話ができる程度になりたいな、と思っていて、その講義を受けることは直接私の目的に作用する。

 

来年からフランス語の授業が取れるのか取れないのか、取るのか取らないのかはわからないけれど、これからも習った分を忘れない程度にフランス語を使っていこうと思っている。とりあえず星の王子さまのフランス語原本でもポチっておく。これが届いたら私の本棚にある星の王子さまは3冊目になる。日本語と英語と。これで英語への苦手意識も、少しずつではあるけれど薄れてほしいなと思う。