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カレン素数の日記

1000文字程度の文章をぼちぼち更新しています。暇つぶしの読み物にどうぞ

一人称のこと

一人称、みなさんは何を使っておられるだろうか。

 

日本語は、一人称のたくさんある言語である、とみなさんお思いかもしれないが、実際問題、そうではないのではないかと思っている。

結局、私、僕、俺、くらいしかまともに使える一人称がない。田舎の女はうちとあたしも使いがち。あとねらーはワイ。精々その程度でしかない。

拙者とか使ってる人います?それがし、とか一体今のご時世で何人が使っていますか?吾輩とか俺様とかおいらとか小生とか普通の若い子が使ってたらイタすぎませんか?

 

日本語って案外不自由な部分もあるのではないかと思う。なんか世間一般的には、英語より語彙が多い、英語で一人称はIしかないけど日本語は云々、世界の中でも優れた言語である、などの散々コピペされたような文章が改変を重ね、大量に溢れている。

とてもじゃないけど、そこまでおだてられる程の言語ではない。

 

私は女なので、友達と会話する時も敬うべき相手と喋る時も、プレゼンなんかでみんなの前で話す時も、 「私」で通している。

でも、男性ならどうだろう。目上の人に俺って使いづらくないだろうか。友達と会話する時に私って言うのはかしこまりすぎていないだろうか。ていうか相手によって一人称を一々変えるなんてめんどくさくない?英語ならIだけで全部済むのに。

 

日本語としての性質について語りすぎるとどこまで掘っても底が見えないのであんまり掘り下げないでおく。気になった方がもしいたら、この世界には「言語オタク界隈」が存在するので覗いてみたらいい。私も多少かじってはいるけれど、このオタク界隈は普通に「学力」が必要なのでとても難しい。世界各地の言語から、日本の方言、ジェンダーと絡めて言語を考えたりする様々なオタクたちが存在している。とても面白いと思う。いつかこれについても書きたい。

 

一人称の話に戻す。私が個人的に思うだけなのかもしれないが、いい歳した美人が自分の名前を一人称として使っているのがとてもショックに感じる。嘘でしょ、こんなに美人なのに!!??となる。幻滅する。

ていうか大人になったらいい加減自分の名前で自分のこと呼ぶのやめた方がいいと思う。変えられないとは言うけれどそればっかりは本当にやめたほうがいい。

考えてもみてほしい。自分の母親が学生時代の友人とかに「あつこもそう思う〜!」とかって話してたら最悪じゃないだろうか。各自それぞれ自分の母親父親その他の名前を入れて考えてほしい。最悪だ。幻滅どころか心底軽蔑する。

でも実際のところ残念ながら自分の名前が一人称の女は多い。私の友人にもたくさんいる。折角身なりは大人っぽくなってきたのに中身が釣り合わなかったらただのちんちくりんである。

せめてどうか顔面の優れた女だけでも早めに「私」くらいに治してくれないだろうかと切に思う。本当に個人的である。

気にしていない人も多いのかもしれない。私以外にこのことをそこまで問題視してる人に会ったことがない。ただの杞憂か。

 

 

ジェンダーが騒がれる時代、今世界各地で女性的でも男性的でもない「人」を指す言葉がないことが指摘されている。

英語圏ではshe,heの代わりに、zeという新しい三人称を使う試みがある。theyの単数形といった位置づけである。

英語は変わっていく。日本語はどうする?

新しい一人称を生み出すか、今ある一人称に対する概念を変えていくか。定着するには何年も要するだろうけれど、私たちが後期高齢者になる頃には日本語の一人称はガラリと変わっているかもしれない。