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カレン素数の日記

1000文字程度の文章をぼちぼち更新しています。暇つぶしの読み物にどうぞ

たまごっちが教えてくれたお金の使い方

たまごっちのカードゲームをみなさん覚えているだろうか?

一回100円でカードを使ってデカイ3つくらいのボタンをばんばん叩いて遊ぶゲームである。

私は十数年前、それはもうめちゃめちゃに金をつぎ込んでいた。

母が電話台にたまに置いていた百円玉を盗んでは近所のショッピングモールのゲームコーナーに駆け込んで、並んで、ボタンをばしばし叩いて、新しいカードが出てくるの楽しみにしていた。

 

当時、カードゲームといえば、ラブベリムシキングである。なぜ私はたまごっちだったのかというと、ラブベリは『女の子がするもの』というイメージが強すぎて恥ずかしくて並べなかったのだ。私だって見た目も心も女の子であったのになぜだかめちゃめちゃ恥ずかしかった。リカちゃん人形なんかは好きでよく遊んでいたのにラブベリとなると苦手だった。まつ毛がバサバサで瞳にギラッギラのハイライトが入ってるのが怖すぎた。

ムシキングはというとそれはまた逆に『男の子がするもの』というイメージが強すぎた。並んでいるのも男の子ばっかりだし、そもそも私はカブトムシとか興味なかった。

そこで、ラブベリムシキングと並んでその横にあったのがたまごっちである。

とにかく私はカードゲームをしてみたくて仕方がなかったので、消去法的にたまごっちのゲームをすることになる。

 

たまごっちのカードゲームをやめてから数年後、中学生になるかならないかくらいの頃に部屋の大掃除をした時に、丁寧にカードが透明のリフィルにしまわれたカードファイルを見つけた。カードの数を数えて計算してみた。塵も積もればなんとやら、100円も積み重なれば大きな金額になっていた。なんて非生産的な遊びに金を使っていたのだろうかと衝撃を覚え、もう二度とカードゲームはしないと誓った。

 

そしてさらに数年経って今である。

考えてみれば、たまごっちのゲームに注ぎ込んだ金と言っても、精々1万か2万かその程度だ。

18歳になった今、私の友人たちはパチンコに行って3万勝っただの、5万溶かしただの、10万勝って20万負けただのと抜かしている。

そういう話を聞く度、こいつらは馬鹿じゃないのかと強く思う。

私はパチンコとかギャンブルには全く興味がない。どうせ結局のところ負けて、金と時間と心を費やすだけである。

スマホゲームに課金などもしない。そもそもスマホゲームをしていない。ゲームといったら暇つぶし用のテトリスくらいしか入っていないスマートフォンだ。課金も非生産的だと思っている。

私がギャンブルもゲームに課金もしないのは、やっぱり根底に、たまごっちのカードゲームがある。あの時なんでハマっていたのだろう、なんでこんなに金を注ぎ込んだのだろう、なんで私はやめなかったのだろう。大掃除で大量のカードを見つけたあの時の記憶が強くある。

今となってはそんなに大した金額でもないし、ひとつの勉強だったのだ、と思える。

もしあの時私がたまごっちのカードゲームにハマっていなければ、私は後悔することもなかったのだ。後悔していなければ、大人になって乱雑な金の使い方をしていたかもしれない。

これで良かったのだろうと今は思える。

 

ギャンブルにハマってしまう思考回路は分からない。わからなくてもいいと思っている。でも私の友達がギャンブル脳の頭の弱いカスなクズ野郎になってしまったら最悪だ。縁を切るしかない。

今ハマっていてもいい。早めに辞めれて、そして、なんて損なことをしていたのだろう、と後で気づけたらそれでいい。